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日本政府は誰を守っているのか 米軍の「特権」に迫る映画公開

2026年10月15日

【新華社東京10月13日】東京都心における在日米軍ヘリコプターの低空飛行など、米軍を巡る問題に迫ったドキュメンタリー映画「東京上空300メートル」が10日、東京都内で公開された。

 

 タイトルの「300メートル」は、日本の航空法が人口集中地区での飛行に定める最低安全高度に由来する。航空機は原則として、周囲の最も高い障害物から300メートル以上の高度を保たなければならない。しかし、日米地位協定の実施に関する日本の「航空特例法」は、米軍機をこの規制の対象外としている。

 映画は米軍ヘリの低空飛行問題を切り口に、米軍関係者による犯罪や被害者の権利擁護、日本政府の対応など、日米地位協定を巡る問題を追っている。

 同じ空の下で、なぜ異なる扱いが認められるのか。上映後のトークイベントでは、この問題を巡って活発な議論が交わされた。日本政府は一体誰を守っているのか。

 日米地位協定は1960年に日米両国政府が締結した。米軍人・軍属の公務中の犯罪については、米側が第一次裁判権を持つ。公務外の犯罪では原則として日本側が第一次裁判権を持つが、被疑者の身柄を米側が確保している場合、日本側が起訴するまで米側が引き続き拘束することが認められている。このため、日本側に裁判権がある事件でも、起訴前の身柄の引き渡しには米側の協力が必要になる。こうした仕組みは、事件が適切に処理されず、うやむやにされるのではないかという懸念にもつながっている。

 取材・制作に携わった毎日新聞の大場弘行記者は、日米両政府の関係は日本政府にとって非常に敏感な問題だと指摘。安全保障上の関係から、日本政府には波風を立てたくないという思惑があり、国内で反米世論が高まるのを避けるため、問題を公にしたくないのではないかと語った。

 映画が取り上げる米軍関係者による犯罪は、沖縄でも長年問題となっている。沖縄県の統計によると、1972年から2025年までの米軍関係者による刑法犯の検挙件数は6400件を超え、近年は増加傾向にある。

 上映後のトークイベントに参加した60代の男性は「問題があまりにも多く、それを隠蔽(いんぺい)してしまう体質が問題だと思う」と語った。(記者/楊智翔、李子越)